第16回 星空案内人(星のソムリエ ® )シンポジウム:招待講演2

「和歌山大学におけるインターネット黎明期の天文学習支援システムを振り返って」

曽我真人(和歌山大学システム工学部)

概要
和歌山県のみさと天文台が開台したときから,105㎝望遠鏡をインターネットに接続し,Web上に微動ボタンや望遠鏡がとらえたライブ映像を載せるインタフェースを構築し,世界中から遠隔操作できるリモート望遠鏡を構築するプロジェクトがスタートした.早くも1997年には1号システムができ,改良を重ねて,2000年には時差を利用してドイツのフランクフルト日本人学校から遠隔操作して授業実践を行った.そのほか,VR空間に太陽系を再現した惑星系シミュレータは2002年には動いており,金星の満ち欠けのシミュレーションや,惑星軌道を彗星軌道のように変形し,その仮想彗星に乗って太陽系をめぐるシミュレーションなどもできた.さらに,同時期に,星空の下で指差しで天体をポインティングすると,モニター上の仮想プラネタリウムがその星を中心において星空を表示し,星の名前や星座名を音声読み上げするシステムも構築していた.このようなインターネット黎明期の和歌山大学における天文学習支援システムを振り返る.